働くことについての雑誌を作ろうと思いました。

世の中には「若年労働問題」をテーマにした本がたくさんあります。フリーターやニートが増えたのは社会構造のせいだという人もいるし、単に今の若者は甘えているだけなのだという人もいます。
フリーターは今後も増え続けるという見方もあれば、景気の回復や少子化によって減少するという見方もあります。
政治の現場でも、政府が再チャレンジできる社会環境づくりを叫ぶ一方、経済界の代表は人材の使い捨てを宣言します。
格差はあった方がいいとか、年収三百万円時代とか(そんなに稼げねーよ)、徴兵制を復活させろだとか、もう、日本は何が何だかわからなくなってきています。

ところで気になるのはこれらがみんな「彼らの言葉」であることです。彼らが「わたしたち」のことを本気で考えているのかどうかはこのさいおきます。彼らが本気であろうとなかろうと、やっぱり、わたしたちのことはわたしたちが考えるべきだと思うのです。
彼らが頼りにならないから、ではなくて、それが自分たちの問題だから…。

それでは「わたしたちの言葉」はどこにあるのでしょう?

企業に勤める若い正社員や就職活動中の学生の中には、「フリーターは自己責任で負け組になった」と言う人がいます。それに対してニートのある青年は、「働いたら負けかなと思ってる」と言い返します。

なぜか「若年労働問題」を語る人はみんな声が荒々しくなります。それはたぶん、相手を馬鹿にしているからでも、妬んでいるからでもありません。
そこを否定されたら人生そのものを否定されてしまうような、そういうかけがえのない何かをめぐって、わたしたちは今日も争い合っているのではないでしょうか。

わたしたちが目指すのはそんな論争のアリーナを拡げることです。当事者たちの多様な声を響かせあうことで、問いを共有し深めていくことです。

誰の意見が正しいと決めたいのではありません。そもそも決める力なんてあるわけないし、決める必要があるのかさえ わかりません。
だけど、一つだけ言えるのは、相手のことをロクに知りもせず、知ろうともせず、一方的に捻じ曲がったイメージを作り上げ、自分を肯定するためだけに相手を罵しるような精神を、わたしたちは絶対に拒否するということです

(「フリーターズフリー」創刊号「巻頭言」より抜粋)




ごあいさつ──FF事業内容のお知らせ

有限責任事業組合フリーターズフリー(FF)は、生田武志、大澤信亮、栗田隆子、杉田俊介の四人を出資者兼組合員とする、組合形式の編集プロジェクトです。

私たちは「協同」の理念の下に、経営者ないし出資者が労働者を雇用するタイプの働き方とは違う、「新しい働き方」を社会に実現させることを決意しました。参加者は一定額を出資することで組合員となり、事業に対する経営と労働の権利と義務を負います。これにより、従来の「経営者が雇用者を使う」労使関係の克服を目指します。

フリーターとして使い捨てられていく人たちが再び立ち上がるためには、自分たちの手で働く場を創ることが不可欠です。これはフリーターズフリーという名前に対する私たちの姿勢であり、答えであり、目標であり、願いでもあります。この原則を貫くかぎりで、私たちは社会に対して、正当な要求を堂々と表明できると考えます。

事業内容は、雑誌・書籍・冊子等の刊行、ご依頼に応じた記事・インタビュー等のライティングおよび編集作業、ブックデザイン、ウェブサイトのデザインなどです。私たちの雑誌やこのサイトを見て、何か心に残るものがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。心をこめたお仕事をさせていただくことを、組合員一同お約束いたします。

有限責任事業組合フリーターズフリー